木々が緑を深め、暑さも本番を迎える6月。魚たちは成長して脂のノリもよくなり、青豆類やナス、瓜なども出揃います。また、根菜類なども幼い味覚が楽しめる季節になってきました。湿気を含んだ南風のせいもあって、程よく冷やした食べ物や酸味のあるさっぱりした味付けが恋しくなる時期でもあります。
旬の食材1. 塩トマト
主な産地:熊本
熊本県八代地域など、土壌の塩分濃度の高い干拓地などで特別栽培されるトマト。糖度が高く、果物のように甘いフルーツトマトの元祖とも言われています。
果皮が厚く歯ごたえもあり、トマトの酸味もしっかり味わうことができます。つまり、甘さと酸味のバランスが濃厚な旨味として感じることができるというわけです。
旬の食材2. マンゴー
主な産地:沖縄、宮崎
ウルシ科マンゴー属の常緑樹になる果物で、古くからインドを中心とした南国で栽培され、その種類は数千にも及ぶと言われています。日本でも沖縄や宮崎産が有名ですが、最近は温泉を活用した北海道産なども話題に。とても甘くて美味しいのですが、繊維質が多いので、縦・横に切れ目をいれた「花切り」にしていただきます。
旬の食材3. カツオ
主な産地:静岡、三重
春になると黒潮にのって九州南部から日本の太平洋側を北上。三陸沖あたりに達すると親潮にぶつかってUターン。だから、季節によって初鰹と戻り鰹という名称がつけられます。漁獲高は静岡がトップ。意外なようですが高知のカツオは「ソウダガツオ」が主体で、お腹に縦縞が入りません。特に南の暖かい海を好み、旨味とコクのある出汁が取れることで有名です。
旬の食材4. 新じゃが
主な産地:長崎、鹿児島、北海道
ジャガイモは普通、春に植え秋口に収穫されるのですが、新ジャガは冬に植えられ春を過ぎた頃に収穫されます。北海道産は冬が長いため7月頃から市場に出回ります。皮が薄くてみずみずしい食感が特徴で、ビタミンCを豊富に含むと言われています。皮ごといただく料理で、健康にも美容にも、もちろん味覚的にもうれしい食材のひとつです。
旬の食材5. 枇杷
主な産地:長崎、千葉
小ぶりのオレンジ色の実がなんとも可愛い枇杷。日本では古くから夏の風物詩として愛されてきました。βカロテンやβクリプトキサンチンが多く含まれ、高血圧予防やアンチエイジングなどにも効果的。葉に多く含まれるタンニンは細菌の繁殖を抑制するので皮膚疾患やかぶれも有効とされます。ひんやり甘く上品な味わいですが、冷やしすぎると風味を損なうので要注意です。
協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya