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上手なオーブンとの付き合い方(2) パンの発酵器(ホイロ)の代用

オーブンに関わる質問はアトリエでも多くいただきます。前回は「家庭で導入しやすいオーブンの違いについて」おおまかにご紹介しました。そして実際にパンを焼き始めると疑問がたくさん出てきますよね。今回は発酵器についてご紹介します。

◆ 発酵器がない場合

オーブンを使用して発酵させる

アトリエでは小さな発酵器を使用していますが、発酵器を使えない場合はどうしたらいいでしょう。ご家庭で多いオーブンを使った発酵のとりかたについて。酵母が活発に働く温度は27℃~30℃辺りです。通常の発酵の取り方であれば、アトリエでは28℃~30℃に設定しています。
オーブンの発酵機能に30℃の設定があれば、生地を入れてからオフにします。40℃・45℃の設定だけのオーブンなら、パン生地を入れる前に少し扉を開け、温度が下がってから生地を入れるようにします。どちらも発酵機能をオフにして、お湯を入れたマグカップも一緒に入れておくことで庫内の温度を下げずにある程度保つことができます。お湯は冷めてきたら入れ替えてください。

代用になるもので発酵させる

2次発酵の時間と予熱時間は同時進行になりますよね。私も発酵器がない場所でパンを焼く時は、天板が入るサイズの発泡スチロール(または大きなクーラーボックス)にお湯を入れたバットやボウルなどを置きその上に天板を載せたり試行錯誤しました。
他には特大サイズのポリ袋の中にお湯を入れたマグカップなどと一緒に入れておく方法が手軽でおすすめです。(下記画像参照)夏は室温、冬はストーブの熱がほんのり届く距離で、陽当たりの良い窓辺も意外と発酵に適した場所。いずれにしても生地が乾燥せずに膨らめるよう、湿度と温度を保つ環境を確保できるといいですね。
高温短時間発酵は手早く楽ちんにできる気がします。でもパンにとって40℃は高めの温度。ポソっとした食感になりやすく、発酵臭が強くなります。少々時間はかかりますが、急がず膨らむのを待ってあげてほしいなと思います。

▼関連記事
「電気?ガス?…オーブンの特徴」
「上手なオーブンとの付き合い方(1) パンの焼成時間と温度」

 

家庭製パン講師として、自らパン教室を主宰する、さんだ ゆみこさん。
ブーランジェリーシェフとの交流も広く、様々な活動されています。
さんださんは、「自宅で作るパンのいいところは、自分で選んだ安心の素材で自由に焼き上げたパンを大切な人と食べるひととき。」 と言います。
日々、教室を運営しながら自らも学び、パンに触れる暮らしの中での気づきや、パンを楽しむ皆さんへ伝えたい事を綴っていただきます。
アトリエへちょっと立ち寄るような気持ちで、ご覧くださいね。

 

TEXT : Yumiko Sanda / Photo : Yumiko Sanda , Pain Kitchen

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