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電気、ガス、どちらがいい?パン作りで選ぶオーブンの特徴

家庭製パン講師として、自らパン教室を主宰する、さんだ ゆみこさん。ブーランジェリーシェフとの交流も広く、様々な活動されています。さんださんは、「自宅で作るパンのいいところは、自分で選んだ安心の素材で自由に焼き上げたパンを大切な人と食べるひととき。」 と言います。
日々、教室を運営しながら自らも学び、パンに触れる暮らしの中での気づきや、パンを楽しむ皆さんへ伝えたい事を綴っていただきます。アトリエへちょっと立ち寄るような気持ちで、ご覧くださいね。

現在大阪のアトリエでは電気オーブンを、名古屋で教室をしていた頃はガスオーブンを使用していました。今回はご自宅でパンを焼き始めたばかりの方に向けて、アトリエでよく聞かれるオーブンや焼成に関する質問を2回に分けてご紹介します。少しでもお役立ていただけたらと思います。

◆ 電気かガスか、どちらがいい?

ガスオーブン
(家庭用ビルトイン・リンナイ卓上など)

ガスオーブンの最大の魅力は、なんと言っても火力が強さ。予熱も早く、強めの火力でふっくら・ぱりっと焼きあがります。予熱にかかる時間からもランニングコストは安いと言えます。
デメリットは庫内の温度を一定にするのが難しい点です。そしてガス栓があって、サイズの大きなガスオーブンを設置できる場所が確保できる環境であるか、など。卓上タイプかビルトインタイプが一般的な選択肢となりますが、ビルトインについては新築かリフォームをお考えでしたら選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。キッチンスペースが有効に使えるのもいいですね。

電気オーブン
(シャープヘルシオ・東芝石窯・パナソニックビストロなど)

電気オーブンはガスオーブンと比べて火力が弱いぶん熱の回りがやわらかく比較的一定。レンジ機能と一体化しているものが多くコンパクトサイズで、導入のしやすさも人気となっています。デメリットはガスの半分程の火力なので予熱に長く時間がかかること、コンパクトな分、庫内が比較的小さめ。 庫内の小さな機種を選ぶと、天板に並べられるパンの数が少なすぎたり、食パンのように高さが必要なパンには、天井が低いと上面が焦げやすく大変です。電気オーブンはガスよりも火力が弱いため、最高温度300度以上に設定できるものをお勧めします。

『コンベクションオーブン』
(庫内にファンがあり熱を庫内に循環させ単機能電気オーブン。シロカ・デロンギなど)

電気コンベクションオーブンは、ガスに劣らない火力が魅力的。ただし、庫内がトースター並みにコンパクト。レンジ機能を使われる方の場合は電子レンジの設置も必要となると場所を取るのも難点かもしれません。

オーブンはどちらも得手不得手があります。生活スタイルで選ばれてもよいと思いますが、パンを焼くという目的がメインでしたら、オーブン機能に特化したもので検討される方がいいですよ。

◆ 予熱はどれくらい前から?

先程も書いたように、ガスと電気では火力の差が倍近くあります。ガスの場合は炎で、電気は熱線。ガスの方が熱の立ち上がり早いのも特徴です。

電気オーブンの場合は特に、液晶パネルに“予熱完了”と表示されていても実温度は幾分低いのです。私は比較的低温で焼く小型パンの場合20分程前から予熱を入れています。高温で焼き上げるパンは天板を入れたままオーブンの最高温度で30分以上、しっかり予熱を入れるようにしています。気になる方はオーブン用温度計をオーブンの中に入れて計ってみるのもいいかもしれません。

パンの焼成は簡単かどうか…私にとって最も難しい行程のように感じます。生徒さんのパン生地を預かり、オーブンの中に入れている間はドキドキして、最も気が張るときです。もちろん試作中の時も同じで、自分の思う焼き上がりの着地点を外してしまったときは本当にがっかり。 電気もガスも、オーブンの個性を把握してクセを掴みながらご自宅のオーブンを使いこなせたらいいですね。

 

 

TEXT : Yumiko Sanda / Photo : Yumiko Sanda , Pain Kitchen

パン作りの基本を知っておこう(道具・材料・工程)

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