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【9月】素材編:梨/松茸/イチジク/さつまいも/秋刀魚/すだち

処暑が過ぎて9月になると、初涼の季節。まだまだ暑いのに、朝夕はふと涼しさを感じます。ツバメが去ってセキレイが鳴き始め、郊外では稲穂が頭を垂れて秋の気配を感じさせてくれる。気になる食材がたくさん出回り始めるので、夏の疲れを上手に抜く、お料理の工夫を始めたいものです。

旬の食材1. 梨/幸水
梨/幸水(千葉、茨城)
主な産地:千葉、茨城
なんとなく優しい感じの果物なのに、夏バテに効果的なのが梨。果糖やクエン酸、リンゴ酸がたっぷりで疲労回復には効果抜群。甘味がシンプルなのでデザートだけでなくサラダや、煮物、おひたしに加えるのも賢い梨の活用法です。食物繊維も豊富なのでお通じの悩みも解決してくれそうです。出はじめは黄緑、その後褐色のものが多くなり、酸味も少し強くなります。

旬の食材2. 松茸
松茸(岩手、山形、長野)
主な産地:岩手、山形、長野
中国産やカナダ産が増えて、国内産がめっきり少なくなった松茸。赤松の林でしか育たず、その赤松も開発や里山の老齢化で減少しているのが現状のようです。ずいぶん高価になってしまいましたが、旬という言葉がいちばん似合う秋の食材。焼く、炊く、蒸す、煮る、どんな料理も松茸らしさが味わえるので、丸ごと出なくても少量多彩な工夫を上手にしたいものですね。

旬の食材3. イチジク
イチジク(愛知、和歌山)
主な産地:愛知、和歌山
漢字で「無花果」。実の中に小さな花を咲かせるため、外から確認できないことからそう書くのだそうです。実のように見えるつぶつぶが花で、独特の柔らかい食感が楽しめます。ふっくらと大きくて弾力のあるものが新鮮で美味しい証拠。へたのところまで真っ赤に染まったものが食べ頃。ほどよい甘さとさっぱりした風味が特長です。

旬の食材4. さつまいも/鳴門金時
鳴門金時/さつまいも(徳島)
主な産地:徳島
主に徳島県北部の鳴門海峡近くで栽培されるサツマイモを、鳴門(なると)金時と呼びます。実が黄金色なことから名付けられました。温暖で雨の少ない気候と海のミネラルが豊富な砂地で作られるため、甘くて栗のようなホクホク感が特長です。夏に出回る鳴門金時は水分がやや多め。秋になると水分が抜けて実の黄金色も甘味もホクホク感もより強くなります。

旬の食材5. 秋刀魚
秋刀魚(北海道、宮城)
主な産地:北海道、宮城
北の海で育った秋刀魚が南下を始めるのが、まさに秋の始まり。三陸あたりから銚子沖で獲れる頃が、脂ものってもっとも美味しいと言われます。8月に陸揚げされる秋刀魚の脂は10%前後。それが9月に入ると20%に増えるというのですから、まさに旬の魚ですね。エラが赤く目が澄んでいるものが新鮮で、お腹が硬く肩の張っているのが脂ののりも良いようです。

旬の食材6. すだち
すだち(徳島)
主な産地:徳島
すだちは徳島を代表する香酸柑橘。香りと酸味が強いため、料理に果汁をかけるために添えられます。旬は夏から秋にかけてですが、秋刀魚などに代表される秋の食材には、特に重宝されます。爽やかな酸味とすがすがしい香気が味覚に張りを持たせ、食材の旨味をより引き立てるからでしょう。カボスも同じ香酸柑橘ですが、すだちよりは大きく、酸味も柔らかく、風味も少し異なります。

協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya

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