春はホールフード(whole food)の季節でもあります。野菜であれば葉も根も茎も皮も丸ごといただくこと。その方が栄養価も高く、本来の自然の美味しさを味わうこともできます。寒い冬を耐えて栄養価を溜め込んだ春野菜たちと、お料理で会話してみる。そんなキッチンタイムを楽しんでみてはいかがでしょう。
蕪のポタージュ
蕪のポタージュ 皮までいっしょに煮込んで、わずかなお塩以外何も加えず、ポタージュに。その上に茹でて刻んだ蕪の葉を添え、オリーブオイルで味を整えます。そうすることで蕪独特のさわやかな甘味が味わえます。しっかりとした口当たりとほっこり感、そして火を加えることで引き立つ春蕪の香りが、甘味に優雅さを感じさせてくれます。
つぼみなとイノシシ肉のフォカッチャ
つぼみなとイノシシ肉のフォカッチャ ジャガイモを練りこんだフォカッチャの上に、軽く火を通したツボミナとオレンジソースで煮込んだイノシシ肉をトッピングしました。オレンジの甘味が香るお肉のしっかりした味わいと、ツボミナの軽やかさ、そしてフォカッチャのスポンジのような口当たりは、絶妙な組み合わせ。見た目以上にボリウム感ある食べ応えです。
若ごぼうのパスタ
若ごぼうのパスタ 鶏肉のように見えるのはイタリアの生ソーセージ・サルシッチャ。これに若ごぼうとオレンジトマトを加えて生パスタに絡めました。そして最後にミモレットチーズ。どの素材もそれぞれの味わいを保ちながらも突出することなく、むしろ若ごぼうのシャキシャキした味わいと風味を引き立てます。パスタといっしょに口に運ぶ素材で、味わいが変わるのもこのパスタの旨さの特徴でしょうか。
キンカンのコンポートとチョコレートケーキ
キンカンのコンフォートとチョコレートケーキ チョコレートケーキの上に、コンポートしたキンカンをトッピング。百合根とチョコレートアイスクリームを添えたデザートに仕立てました。シロップで甘煮したキンカンは果物らしい甘酸っぱさものこり、口の中で香りが広がります。百合根とチョコレートは、独特の風味。いくつものアンサンブルが多彩で心地よい甘さを楽しませてくれます。
協力:Restaurant URA
TEXT & Photo:Pain Kitchen. Tetsuro Nanya