初心者には簡単に~もっと深く知りたい。手作りパンキッチン。

パン作りをする人のためのパンキッチン

ショコラのパンを作るには?

年が明け、これから約1ヶ月余りはショコラが主役の季節ですね。ショコラ好きとしては密かにシュトレン以上に心踊ります。
アトリエではショコラのパンを試作しながら、改めて”ショコラをパンで表現する”方法を思案中。最初に考えたのはココアのパンとショコラのパンの違い。なんとなく同じだろうとは思う、でも食べるときのイメージや印象は違っているように思うのです…。

パンキッチン ショコラのパンを作るには?
ココア?ショコラ?
まずはこのふたつの違いについて。
ココア=カカオ豆?油分(カカオバター)
ショコラ=カカオ豆+油分(カカオバター)+砂糖+乳製品など

カカオ豆の種子は、ココアやチョコレートの原料。カカオ豆を炒って皮などを除きすりつぶしたものから、カカオバターを除き粉末状にしたものがココア。一般的な区分では、カカオは植物名、ココアは食品名とされています。

ここからはパン生地に使う時のポイントや方法を。
ココアを入れると生地が締まる、そんな経験があると思います。ココアの成分は約1/4が不溶性食物繊維なので、見た目は粉末でも完全に溶けることはなく、吸水しません。
ココアを生地にきれいに入れこみたい時は、水などで練り、ペースト状にしてから練り込む方法をお勧めします。アトリエではココアパウダーに対して約1.5倍の水分で練ってペーストにします。
※抹茶やアールグレイパウダーも同様にします。水分の割合などはレシピによって変えています。
余談ですがマーブルのパウンドケーキ。マーブルの色のついているパートはココアの味を濃く感じるのに、すべてを混ぜたら味は薄まる。けれど単純にココアを増量しただけでは“ショコラ感が出る”とはならないのが、もどかしいところですね。

パンキッチン ショコラのパンを作るには?

さて、ココアからショコラの味を連想させるのに必要なものは、水分と糖分。水分と糖分が増すと香りではなく味に変化が出てきます。ココアを湯で溶いただけではおいしくないけれど、砂糖も混ぜるとおいしく感じますね。
生地でショコラ感を出すのならある程度の糖分は必要ということですね。そうすれば“ショコラの味わい”に近付くはず。パン生地にとって糖分(砂糖)と水分(吸水)は気をつけなくてはいけないポイントではあるけれど。

パンキッチン ショコラのパンを作るには?
パンから離れた視点を求めて、パウンドケーキにショコラを溶かして混ぜ入れる理由をマ・ビッシュ 村田博シェフパティシエに尋ねたところ、「ココアは結局ココア味でしかない。ショコラはショコラの味を出せる点」と明確なアンサーが返ってきました。なるほど。
「ココアはショコラだけどショコラとは違う。菓子作りにおいてショコラを生地に入れるとなるとクーベルチュールを使うのだけど。クーベルチュール=油脂なので、油脂が入るとパウンドケーキの生地はしっとり仕上がるし、ココアは水分を吸う性質があるからパサつき気味になるでしょう。 反対に、クッキー生地にクーベルチュールを入れない理由は油脂だから。ショコラ入りでも緩まない配合にするなら別だけれど、基本的には油脂が余分に入って、緩みやすい生地になってしまうよね」

クーベルチュール…カカオ分が35%以上、カカオバターが31%以上、カカオバター以外の代用油脂が5%以下、この規格をクリアした流動性の高いショコラの総称
クーベルチュール=カカオマス+カカオバター+砂糖、その他材料など

最後にココアパウダーについて
風味や色合いはメーカーによってさまざま。飲用ココアは砂糖や乳成分などを加えた製品ですが、製菓製パン用には純ココア(ブール・ド・カカオ、ココア・アン・プードル)を使います。

市販されている多くのココアパウダーは、カカオ豆を焙煎する工程で酸味が増す(酸性に近付く)ため、味を調整するアルカリ処理をし、まろやかで飲みやすいものにしています。使う用途に合ったものを選ぶことをおすすめしますが、品質の良いココアはアルカリ処理をしなくともおいしい、カカオ豆の風味を損なわないおいしさの差だと感じます。

パンキッチン ショコラのパンを作るには?

特性を知ることが素材を活かす第一歩だと思うばかりです。
シェフからはこんなアドバイスも。「パンはパウンドケーキよりも糖分が高くない分、ショコラがダイレクトに味覚に当たると、食べて“ショコラがメイン”になる味わいが完成するのでは」なるほど。ということはチョコチップも必須ですね。

家庭製パン講師として、自らパン教室を主宰する、さんだ ゆみこさん。ブーランジェリーシェフとの交流も広く、様々な活動されています。さんださんは、「自宅で作るパンのいいところは、自分で選んだ安心の素材で自由に焼き上げたパンを大切な人と食べるひととき」 と言います。
日々、教室を運営しながら自らも学び、パンに触れる暮らしの中での気づきや、パンを楽しむ皆さんへ伝えたい事を綴っていただきます。アトリエへちょっと立ち寄るような気持ちで、ご覧くださいね。

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