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パン作りをする人のためのパンキッチン

久留米市「シェサガラ」相良一公シェフによる「りんごのクグロフ/ブリオッシュカネル」講習会レポート

NPO法人ハートブレッドプロジェクトは、パン職人がハートのカタチのパンを焼き、売上の一部または全額を寄付しています。
今回は被災地(九州)を応援する気持ちを込め、福岡市 白熊商事(株)にて開催された講習会。各シェフの提案する“ハートのカタチ”のパンや、こだわりのパン作りが披露されました。文末でハートブレッドプロジェクトの活動についても紹介しています。

講師は法人理事4名に加え、九州で開業し理事方々と親交がある、久留米市「シェサガラ」相良一公シェフも登壇されました。

写真左から、アビアント 松尾清史シェフ / パンデュース 米山雅彦シェフ / シェサガラ 相良一公シェフ / ナギ 山本一喜シェフ / サマーシュ 西川功晃シェフ

クープデュモンドを目指し 4度の挑戦で3度日本代表最終選考へ!

相良シェフはベーカリーのワールドカップとも言われている<クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジェリー> ヴィエノワズリー部門で2006年/2016年/2020年大会の日本代表最終選考会まで残られた、努力と挑戦のパン職人。
※2020年最終選考会は2017年2月大阪で行われました。次の2枚は代表選考会での写真。

この度の福岡講習会では、クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジェリー選考会用に考案された「ジャンジャンブル(りんごのクグロフ)」、同じ生地から「ブリオッシュカネル」が披露されました。次の写真は代表選考会で撮影したものです。

ベースの生地はブリオッシュ。水分は卵黄と全卵を合わせて50%、牛乳20%、バター50%。卵白で生地を軽くするイメージで全卵を加えるレシピに。全卵と卵黄を分けて使う理由は、卵白には9割の水分、卵黄は約5割の水分が含まれるので、卵黄だけで作る生地の重い質感を軽減させるため。

<ブリオッシュカネル>

ディスク状に伸ばした生地(280g)を指ピケしておく(指を挿して窪みをつける)。2次発酵60分ののち、指ピケした穴にバタークリーム※を絞り口で絞り、シナモンシュガーをたっぷり振り焼成。 ※グラニュー糖とバター同割 ※カネル=シナモン

空気が乾燥している冬季は、焼成途中に窯から出し生クリームを回しかけることで、しっとりさせてパンの乾燥を防ぎ、味にコクも加わるようにします。逆に夏季は湿度が高いため、パンのべたつきや味わいが重く感じないように、そのまま焼き上げるそうです。季節での変化は相良シェフのパンに対する想いと、食す側への心配りですね。

<ジャンジャンブル(りんごのクグロフ)>

ガスをしっかり抜き、25cm×18cmくらいを目安にシート状にカット。バターとグラニュー糖でソテーした林檎を並べ、巻き込みながらロール状に。左右両端を合わせクグロフ型に入れる。ポイントは、リング状にした生地のサイズ。短いと隙間ができ、長いと皺が寄ってしまうため、クグロフ型に綺麗にはまる長さに留めておくこと。

生地の上には火入れした、3mm薄の林檎を放射状に均等に並べる。薔薇の花びらのようなイメージで。
上に並べただけでは林檎が浮いてしまうので、プリンカップなどで優しく押さえつつ内と外のクグロフ型側面に林檎を差し込むと、ホールドされて浮かずに焼き上げることができる。そして焼き上がった時に花びらのような立体感のある仕上がりに。

自作の林檎カバーを乗せた状態で8割焼成、外して再び窯に戻して焼き上げる。焼成後は生地部分のみ生姜シロップ(講習ではラムシロップ)に潜らせ、林檎部分にはナパージュを。

生地で包んだ林檎と上部に飾られた林檎の下処理の違いなど、結果として聞く側はそうかと簡単に理解できるものかもしれないけれど、着地点に到達する過程には何度も重ねられた試作の日々があったからだろうと思います。仕事が丁寧、まじめな人柄が顕れるパン作り、と他講師陣からも声が上がっていました。
美味しさだけではなく、美しいデザイン、細やかな手仕事は、コンテスト用としてのクオリティも求められる、やはり特別なパンなのです。“相良シェフのパン作りに対する姿勢”を少し、垣間見られた気がします。

この「ジャンジャンブル(りんごのクグロフ)」、年始~春頃までの週末限定パンとして店頭販売もされているそうです。 (相良シェフ談:このような、ひとつひとつの作業が大変なので、できる時期が限られてしまいますが、限定商品として店でも作っています。)


相良シェフ以外の法人理事の4名は関西で活躍されているシェフ方ですので、イベントや講習などでお会いする機会がありますが、福岡の地でも変わらず笑いも巧みに織り交ぜた講習風景は愉しいものでした。そしてハートブレッドプロジェクトが発足して5年、積み重ねることの大切さを改めて感じます。


ハートブレッドプロジェクトとは

ハートブレッドプロジェクト
“ハートブレッドプロジェクト”は東日本大震災後、同じ想いを持った関西のパン職人が集まって立ち上げた、「寄付を目的」とする団体です。
今では少しずつ仲間が増え、全国のパン屋さんに同じ想いが広がっています。
パン職人がハートのカタチのパンを焼き、売上の一部または全額を寄付しています。この活動であつまった寄付金はそのまま100%、震災、自然災害による被災地や子供たちの為の寄付金に使われています。
もし、どこかのパン屋さんで「ハートのカタチ」のパンを見つけたら、手に取ってもらえると嬉しいです。

サマーシュ 西川功晃シェフ 神戸三宮 http://ca-marche-kobe.jp/
アビアント 松尾清史シェフ 大阪 http://a-bientot.co.jp/
パンデュース 米山雅彦シェフ 大阪 http://painduce.com/
ナギ 山本一喜シェフ  和歌山県串本町 https://www.facebook.com/PanCafeNagi/
シェサガラ 相良一公シェフ(guest performer )福岡久留米市 http://www.chez-sagara.com/
河原治税理士事務所 河原治 氏(司会)http://www.bakery-no1.com/

家庭製パン講師として、自らパン教室を主宰する、さんだ ゆみこさん。ブーランジェリーシェフとの交流も広く、様々な活動されています。さんださんは、「自宅で作るパンのいいところは、自分で選んだ安心の素材で自由に焼き上げたパンを大切な人と食べるひととき。」 と言います。
日々、教室を運営しながら自らも学び、パンに触れる暮らしの中での気づきや、パンを楽しむ皆さんへ伝えたい事を綴っていただきます。アトリエへちょっと立ち寄るような気持ちで、ご覧くださいね。

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