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パンオショコラは、パン?お菓子?ヴィエノワズリーとは

パンオショコラは、パン?お菓子?ヴィエノワズリーとは

クロワッサンやパンオショコラのような折込生地、そして砂糖・卵・バターをたっぷり入ったブリオッシュなどの発酵菓子などの総称をヴィエノワズリーと呼びます。ウィーンからフランスに伝わったため、フランス語で“ウィーン風の”という意味のヴィエンヌが語源となっています。
ブーランジュリ、パティスリー、どちらのお店にも並んでいる、この“ヴィエノワズリー”は同じものなのか、それとも違うものなのか。そんな素朴な疑問から、私なりにリサーチをしてみました。

パン職人(ブーランジェ)にお聞きしました

パンオショコラは、パン?お菓子?ヴィエノワズリーとは
一般的に日本のパン屋さんだけで働いた経験がある人には(フランスで言うところの)“ヴィエノワズリー”という感覚よりも、 “菓子パンのひとつ”という感覚なのでは、と思います。

「かつてフランスのブーランジュリで働いた頃の話だけれど、“Pain”の職人はヴィエノワズリーの仕事はしていませんでしたね。パティスリーの仕事の中にヴィエノワズリーの仕事も付随していて。今はもう違っているのかもしれないけれど、当時を思い出すとブーランジェ(ここではPainを指す)はヴィエノワズリーの仕事はしていなかったですね。
当時を思い出すとブーランジェ(Painを焼くBoulangeのこと)はヴィエノワズリーの仕事はしていなかったですね。
日本のパン屋さんで作られているブリオッシュ生地や折込生地の類は、ヴィエノワズリーという感覚よりも、菓子パンのジャンルの中にあるのがヴィエノワズリーだったという感覚なのでは、と思うんです。」

パン職人的なご意見もいただきました。
「フランスは歴史と食文化が共存する良さがあり、日本は(ベーグルやピタパンなども)多種多様に「パン」と呼べる幅の広さが、日本のパン文化の良さでもあるかなと。
それに、パン屋さんの感覚で作るものと、パティスリーの感覚で作るものがあって。パティスリーに並んでいるシュクレ(お菓子や甘いもの)、サレ(惣菜的な塩味のもの)、という括りと、パン屋さんのそれとは違う、そんな風に思います。」

菓子職人(パティシエ)にお聞きしました

「まずバターやフィリングの扱いに違いがあると思います。
◎パティシエ・・・生地ではなく、バターのうまみ、副素材の味を引き出すテクニック
◎ブーランジェ・・・生地自体のうまみ、生地の熟成を引き出すテクニック

たとえばパティシエールひとつを挙げても、パティシエであれば生地や素材に合わせた配合でそれぞれのパターンで仕込んだりします。デニッシュとの相性、フルーツと相性の良いもの、それぞれ固さや味が違うものです。想像の範囲だけれどブーランジェは1パターンのパティシエールを炊いて、それを様々なパンに応用する、という違いもあるかな。
クレームダマンド、フレンジパンヌ、そういったものの使い方に気を遣ってヴィエノワズリーを作っているのがパティシエかなと思う。
もちろん、どちらが良い悪いということではなくて、お菓子屋さん、パン屋さん、各々のアプローチの方向が違うということでしょうね。」


パティスリーのシェフからは、パンオショコラ(折込生地にバトンショコラを挟んで焼きあげたヴィエノワズリー)についての興味深い話もありました。リッチな味わいにしたくてクーベルチュールを使うのはNGだよね、と。
クーベルチュールはカカオバターの含有量が多くリッチな味わい。融点が低く焼成中に溶けてしまうため、結果としてバトンショコラとしての形は残らず、残念ながらおいしくないものに。このような理由から、パンオショコラに使われるバトンショコラは、カカオバターの配合が少なく、焼成しても溶けずに残ります。
食べて口どけのよいクーベルチュールですが、普通のパン生地なら馴染むものも、折込生地は層が粗いので流れてしまい、おいしさが半減してしまうからだそうです。

“ヴィエノワズリー考”、面白いですよね。私の疑問も解消されてすっきりしました。以前のコラム【リーン?リッチ?パン生地の分類について】は、生地の違いから見るパンの分類をご紹介しました。併せて、みなさんのブーランジュリ、パティスリー巡りの小さなエッセンスになればと思います。

家庭製パン講師として、自らパン教室を主宰する、さんだ ゆみこさん。ブーランジェリーシェフとの交流も広く、様々な活動されています。さんださんは、「自宅で作るパンのいいところは、自分で選んだ安心の素材で自由に焼き上げたパンを大切な人と食べるひととき。」 と言います。
日々、教室を運営しながら自らも学び、パンに触れる暮らしの中での気づきや、パンを楽しむ皆さんへ伝えたい事を綴っていただきます。アトリエへちょっと立ち寄るような気持ちで、ご覧くださいね。

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