初心者には簡単に~もっと深く知りたい。手作りパンキッチン。

パン作りをする人のためのパンキッチン

新麦で作る厚焼きイングリッシュマフィン講習を調査!(パン教室「アトリエ ル ボヌール」主宰・太田幸子さん)

パン教室「アトリエ ル ボヌール」主宰太田幸子さん
パン教室「アトリエ ル ボヌール」を主宰する太田幸子さん。いちばんの人気メニューは厚焼きイングリッシュマフィン。ふかふかとしてやわらかく、見た目もかわいい、みんなが好きになるパン。新麦の季節に合わせ、太田さんの地元・埼玉県産の小麦、ハナマンテンを使い手ごねで作る。

超強力小麦ハナマンテンとホシノ天然酵母パン種で生地作り

ハナマンテンは超強力小麦で、ゆめちからと同じような遺伝子を持つ。
特徴さえつかめば、パンを作るのはむずかしくない。
「ハナマンテンの特徴は粘り気があること。
水を入れすぎると生地がつながりにくくなります。
ハード系ならちょっとずつお水を入れて確認しながらこねるようにしてください。
普段使い慣れてる粉にハナマンテンをちょっと入れると食感が変わります」

発酵種は、種継ぎの必要がなくて家庭でも使いやすい、ホシノ天然酵母パン種を使用。
「ホシノ天然酵母パン種のいいところは酸味が出ないことです。冷蔵庫で保存できるので、すぐ使えて便利です。ホームベーカリーの種おこしコースでもいいですし、発酵ポット、ヨーグルトメーカーなど28℃に保てるものがあればできます」

【参考 生種の作り方】(別サイト) http://www.hoshino-koubo.co.jp/recipe/recipe01/

根気強くしっかりこねて、生地をまとめる

イングリッシュマフィン こね方

作業台の上に生地を出したら、手のひらで押すようにしてこねる。
ハナマンテン特有のねばねば感を感じるはずだ。
「生地をぎゅうぎゅう押してください。しっとりもちもちのパンを作りたかったら、しっかりこねてください。ねばねばすると思いますが、ぼそぼそがなくなるまで、がんばってください。根気よくつづけると、だんだんグルテンができてきます。ハナマンテンは特にしっかりこねたほうがいいパンになります。カードでかき集めてもだんだん離れやすくなります」

パン生地がまとまるようになってきたら、叩きごねが早いです
「まとまるようになってきたら、叩きごねが早いです。水分が飛ぶので、生地が張りやすくなります」

こねあがった生地
こね上がったパン生地

もちろんニーダーやホームベーカリーでもできる。
「ホームベーカリーならイースト食パンコースで終わるまで20分。一度リセットさせてさらに10分捏ねてください。もっちりしてつるっとしてその場で食べてしまいたいと思うぐらいになったら、できあがり」

1次発酵は、旨味を引き出す大事なポイント

1次発酵は27~30℃で5時間~5時間半

1次発酵は27~30℃で5時間~5時間半。
「目安になるので、この状態をよく覚えてください。これぐらいまでふくらませれば終了。ここをまちがえると、硬いパンになります。1次発酵は旨味を引き出すいちばん大事なところです」

パン生地に空気をふくませたまままとめて、綴じ目はしっかり綴じてください

「ふわりと空気をふくんだ状態で5分割します。空気をふくませたまままとめて、綴じ目はしっかり綴じてください。ベンチタイム(20~25℃で20分)をとります。発酵力がイーストとちがうので、ホイロに入れて温度管理したほうがおいしく作れます」

型で作るイングリッシュマフィンは成形が簡単

型で作るイングリッシュマフィンは成形が簡単

型で作るイングリッシュマフィンは成形が簡単

型で作るイングリッシュマフィンは成形が簡単。
「成形はまるめるだけ。くっつきやすいので、手粉をつけてください。きゅっと締めつけないで。ふわふわを意識して、手のひらの上でやさしく丸めてください。おしりはしっかり綴じましょう。表面を張るように丸めたほうがきれいにできます」

厚焼きマフィンに使うセルクル

セルクルは背の高いものを使用する。
「厚焼きマフィンに使うセルクルは直径8.5センチ、高さ5センチ。もしない場合は、厚紙を切って、アルミホイルをきれいに巻いていただくと代用できます。ただ、紙の場合は火通りが悪いので、しっかり焼くように気をつけて」

天板にセルクルを並べる

くっつかないよう、丸めた生地には上新粉をまぶし、天板に並べたセルクルの中に置く。

「いまセルクルと生地の間に5ミリ~1センチぐらいの隙間があります。それがどこまでふくらんだらオーブンに入れられるか、覚えてください。

セルクルと生地の間に5ミリ~1センチぐらいの隙間。

気泡を竹串で潰す。

気泡を竹串で潰す

「最終発酵は30~32℃で50~60分。少し前から様子を見てください。いきすぎたら元に戻せないですから。隙間が埋まっちゃうぐらいになったら終了です」

パン生地の最終発酵は30~32℃で50~60分

一番怖いのは生焼けになること

「オーブンは予熱を入れておいてください。いちばん怖いのは生焼けになること。上がしっかり色がつくまで焼いてください。焼き色がつきすぎぐらいのほうが失敗しないです」

セルクルのキワに上新粉をかけたら、シートをかぶせて天板をのせてください。

セルクルのキワに上新粉をかけたら、シートをかぶせて天板をのせてください。

おいしそうに焼けた円いマフィンが完成。
参加者みんながきれいにできていた。

おいしそうに焼けた円いマフィンが完成
おいしそうに焼けた円いマフィンが完成

「軽くあたためてから、水平に切ってバターのせて、はちみつかけて食べるのがいちばんおいしいですね。ハムサンドやカツサンドも、ふわふわなので、噛みやすくておいしいです」

中がしっとりにあがるハナマンテンは焼き菓子にも向く。
スコーンもきれいに割れた。

【参考レシピ 太田幸子先生の自家製酵母のプレーンマフィン】(別サイト)
(小麦粉ははるゆたか、種は自家製酵母なので、今回のものとはちがいます)

中がしっとりにあがるハナマンテンは焼き菓子にも向く

新麦ハナマンテンほか全国の新麦はこちらで販売中。
cuoca × 新麦コレクション(別サイト)

太田幸子さんの教室・アトリエ ル ボヌール http://www.a-l-bonheur.com(別サイト)

太田幸子さんの著書『自家製酵母で作るワンランク上のスイーツ系パン』(別サイト)

TEXT & Photo:池田浩明

Profile 池田浩明
パンライター。パンの研究所「パンラボ」主宰。ブレッドギーク(パンおたく)。パンを食べまくり、パンを書きまくる。日々更新されるブログ・twitterでは、誌面で紹介しきれないパンの情報を掲載中。主な著者に『パンラボ』(白夜書房)、『パンの雑誌』(ガイドワークス)などがある。
【BLOG】http://panlabo.jugem.jp/
【Twitter】@ikedahiloaki

新着記事

おすすめ記事

パンデュース 米山雅彦シェフに聞くパン作り(後編)

パンデュース 米山雅彦シェフに聞くパン作り(後編)

前回に続きパンデュース米山雅彦シェフ(以降シェフ)にお話を伺います。経営者、職人、個人、それぞれの立場から“パンを焼くこと”への考え方や想いをお聞きしています。 ▼さんだ シェフのパン作りに於いて「おもしろさ」はキーワードですね。よねやまパ...

パンづくり基本動画

Return Top